これまで私たちは、「トース土を使ってバナナを育てる」という新しい取り組みを、室内で進めてきました。

そして今回、その取り組みをさらに一歩進めるため、バナナ栽培用のビニールハウスを新たに建設しました。

室内からビニールハウスへ。

そして、一般的な土ではなく「トース土」で育てるバナナ。

これからバナナがどのように成長していくのか、私たちも非常に楽しみにしています。

そもそも「トース土」とは?

トース土は、全国トース技術研究組合が研究を進めている透水性と保水性を兼ね備えた改良土です。

土などに添加剤を配合して細かな土の粒子を「団粒構造」に変えることで、水を通しながら、水を蓄えるという、一見相反する性質を両立させることを目指しています。

これまで学校のグラウンドや公園、園路、雨庭など、さまざまな場所で活用されてきました。

そして現在、この「水はけ」と「水持ち」という特徴を、農業分野にも生かす研究が進められています。

その一つが、バナナ栽培です。

なぜ、トース土でバナナを育てるのか

植物を育てるうえで、水は欠かすことができません。

しかし、単純に水が多ければいいというわけでもありません。

水分を保持することと、余分な水を排出すること。このバランスは植物の生育環境を考えるうえで重要な要素です。

そこで注目しているのが、**トース土の「透水性」と「保水性」**です。

トース土が持つ特徴を農業に応用することで、水を効率的に利用できる栽培環境をつくることができないか。

そして、その環境がバナナの生育にどのような影響を与えるのか。

今回のバナナ栽培には、そんな可能性を探る意味があります。

ただし、トース土を使えば必ずバナナの収量や品質が向上する、と現時点で断定できるものではありません。

だからこそ、実際に育て、観察し、結果を確認していくことが重要だと考えています。

室内栽培からビニールハウス栽培へ

これまでは室内でバナナを育ててきましたが、今回、新たにビニールハウスを建設しました。

ビニールハウスに移すことで期待している大きな変化の一つが、自然の太陽光を取り入れながら栽培できることです。

さらに、室内よりも広い栽培空間を確保することで、大きな葉を広げて成長するバナナに適した環境をつくりやすくなります。

一方、ビニールハウスでは気温や湿度、日射、水分量などの変化も大きくなります。

そのため、

「ハウス内の温度はどう変化するのか」

「トース土の水分はどのように保たれるのか」

「水やりの頻度に変化はあるのか」

「バナナの葉や幹の成長はどう変わるのか」

「開花や結実にどのような違いが現れるのか」

こうした点を一つひとつ確認していきます。

「土木の技術」を「農業」へ

実は今回の取り組みで注目していただきたいのは、バナナそのものだけではありません。

トース土はもともと、雨水を地中へ浸透させながら保水する技術として、グラウンド、公園、道路、雨庭などへの活用が進められてきました。

その技術を、今度は**「植物を育てる土」として活用できないか。**

これは、トース土の可能性を土木分野から農業分野へ広げていく挑戦でもあります。

水を通す。

水を蓄える。

そして、その水を植物の成長に生かす。

もしトース土の特性を農業分野でも有効に活用できれば、これまでとは違った新しい用途につながる可能性があります。

ビニールハウスで、どんなバナナに育つのか

新しいビニールハウスでの栽培は、まだ始まったばかりです。

室内で育てていたときと比べて成長速度は変わるのか。

葉の大きさや色に違いは出るのか。

そして、トース土の透水性・保水性はバナナ栽培でどのような効果を発揮するのか。

これから実際の成長を見ながら検証していきます。

「トース土×バナナ×ビニールハウス」。

土木分野から農業分野へ。

トース土の新しい可能性を探る取り組みとして、これからバナナの成長や栽培の様子を随時お伝えしていきます。

果たして、どんなバナナに育ってくれるのでしょうか。

これからの成長を、ぜひ楽しみにしていてください。